電験三種本試験 解答分析

2025年3月23日(日)実施の電験三種本試験解答分析(中間講評)を科目別に公開しました。また、試験解答を公開しました。

<理論>

今回の試験は、例年に比べ計算問題がより多い出題でしたが、一つ一つの計算量は少なく、これまでにしっかりとテキストの理解・過去問題による演習を行って試験に臨まれた方にとっては、比較的得点しやすい問題が多かったかと思います。

問題の特徴として、問1,3,4,6,7,9,10,11,14,15(a)などは、過去問題として良く出題されるベーシックな問題であり、比較的得点しやすい問題だったかと思います。 その他、問5や問15(b)や、問16なども、エネルギーの求め方や力率改善の考え方、すべり抵抗器の扱いなど、解き方・考え方を知っていれば、それほど苦労せず解くことができたかと思います。

一方で、問2などは、過去問題でもあまり見ない問題であり、序盤ということもあり動揺した方もいらっしゃるかと思います。

その他、問8や問12,問13なども解きにくい問題で、こういった問題に時間をかけると、他の問題が解ききれないといったことになりかねない出題でした。

 選択問題は、どちらも難易度としては大きく変わりませんが、いずれも(a)は比較的解きやすい問題でした。

総じてご自身が解ける問題を見極め、解きやすい問題を落ち着いて計算ミスなく確実に解けるかが問われる試験となりました。また、過去問の演習をどれだけこなしてきたかが重要な試験となったと思います。

<電力>

今年はあまり見ない問題、解きにくい問題が目立ち、頭を悩ませた方も多いのではないでしょうか。ですがその反面、解きやすい問題も多いため、難問に惑わされず、頻出問題などをしっかり解くことができるかがポイントとなりました。
問題の特徴として、前回の試験同様、前半の発電に関する出題(特に問2,3など)は比較的選択肢が絞りにくいものが目立ちました。それ以降の問題においても、問11は法規科目で学習するような内容であったり、問16は計算問題の中でもかなりの難問であり、時間をかけると他の問題が解ききれなくなる出題でした。 それに対し、問4,5,6,7,9,10,12,13,14,15などは比較的解きやすい問題でした。知識問題については、テキストや過去問題を通して内容を理解できれば選択肢を絞ることができるものが多いかと思います。計算問題においても、問10,15などはパターン問題であり、その他のものも頻出の内容となっているので、こういった解きやすい問題をしっかり見極めてミスなく回答できるかが重要となります。
その他、問17などは一見難しそうな問題ではありますが、問16に比べると解ける問題となっていますので、B問題においては、問15を確実に回答し、残り時間次第で問17に挑戦するといった形で取り組むのが良いかと思います。 過去問題も出題されていますが、選択肢部分が変わっている場合や改訂されているものもあり、全くそのままというわけでもなく、過去問題を暗記するような学習では対応できない問題もあることから、総じて、テキストの理解・過去問題演習をこなしたうえで、しっかり原理や仕組みなどといった内容を理解できているかが問われている試験だったかと思います。

<機械>

今回の試験は、これまでの理論・電力と同様に、いくらか解きにくい問題が混ざっていますが、解きやすい問題も多数出題されており、頻出問題などをしっかり解くことができるかがポイントとなりました。
問題の特徴として、問1,2,3,5,6,8,11,12,14,16,17,18などは、一部用語がわからないと解きにくい問題もありますが、基本的には過去問題として良く出題されるベーシックな問題であり、比較的得点しやすい問題だったかと思います。 特に、問14,18の論理演算は、教科書的なしっかりとした解き方でなく、総当たりのような解き方でも解くことができますので、ここは是非得点してほしい問題となります。 また、問題の内容的に、単純に公式を覚えているかだけではなく、機器の原理や動作についての問もあるため、テキストの理解も重要でした。 解きにくい問題として、問7や問13などが該当しますが、これらは通常学習する機会がほとんどない内容となっているので、今回は別の問題で得点するように考えるべきです。
選択問題は、どちらも難易度としては大きく変わりませんが、上記の通り、問18の方が確実に回答できるかと思われます。 その他特徴として、問5と問10では、電力科目で学ぶような内容が出題されているので、特定の科目のみではなく、4科目一通りの基礎知識は知っている必要があるかと思います。
総じて、解きやすい問題を落ち着いて計算ミスなく確実に解けるかが問われる試験となりました。また、テキストによる機器の理解度も重要となるので、テキストと問題集をバランスよく学習する必要がある試験となったと思います。

<法規>

法規においても、これまでの試験と同様に頻出問題が多数出題されており、前回の試験に比べると得点しやすい問題が多かったのではないでしょうか。
問題の特徴として、知識問題である問2,3,5,6などは比較的よく見る条文に関する問題であり、さらに問10は電力科目でも聞かれた内容であるため、比較的解きやすく、計算問題である問4,11,12(a),13についても、得点源とすべき問題であったため、しっかり的を絞って学習をされた方にとっては得点しやすかったかと思います。
その他、問1については、近年法改正の対象となった条文に関する問題で、対応できなかった方も多かったのではと思います。
また、問7,9などは通常学習する機会がほとんどない内容となっているので、今回は別の問題で得点しましょう。問12(b)も、理論科目のテブナンの定理を使用して解くといった回路計算を行う必要があるので、余裕があれば挑戦するといった形で十分かと思います。
総じて、他科目と同様に、電験三種を取得するうえで重要なテーマについて、しっかり理解しているかが問われている出題であったように感じます。

<正解>※TAC独自の見解に基づくものであり、試験実施団体から発表されたものではございません。

無題のプレゼンテーション (42).jpg

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